進学校化する学校が増えています。私立高校の入試形態についてのご紹介と併せて今後の高校入試を考える。[その①](菅田先生)

今回は、東京都内の私立高校の受験についてお話ししたいと思います。

 

私立高校の受験方法は、基本的に単願推薦入試、併願優遇入試、そして一般入試があります。独自の受験方法を取り入れている学校もありますが、基本的にはこのいずれかを選択して入学していくことになります。

 

単願推薦入試は、第一志望校を受験する生徒が、中学校の内申点を利用して受ける入試です。ほとんどの私立高校において、各高校の内申基準 (例えば、5段階評価にて内申点が9教科合計36以上) を満たしていれば合格することができます。もちろん、一部の最上位校や人気校においては、内申基準を満たしていても、当日の適性検査 (学校によって様々ですが、国数英の学力試験や小論文などが課されます) などで合否が決められる場合もあります。また、単願推薦入試は1校しか受験することができません。第一志望校として受験するので、合格した場合はその学校に入学することになります。志望校が1つに決まっている生徒であれば単願推薦入試を目指して対策をしてほしいところですが、志望校が2つ、3つと分散している場合は、注意が必要です。

 

併願優遇入試は、主に都立高校を第一志望校としている生徒向けの入試です。こちらも、中学校の内申点を利用します。単願推薦入試と同様、各学校に内申基準が設けられており、その基準を越えることで合格、もしくは一般入試における加点措置を受けることができます(※)。基本的にはどの高校も、単願推薦入試よりも基準が高く設定されております。

(※ 中学3年生の11~12月の間に、通学中の中学校と併願優遇入試を希望する高校との間で受験相談が行われます。そこで内申点の基準を満たしている場合、合格の内定や、加点措置の確約を受け取ることになります。その上で、2月の一般入試で実際に受験をし、合格をいただくことになります。もちろん、学校によって加点措置のみを認めている場合もあるため、当日の試験結果によって不合格になることもあります。)

併願優遇入試は、第一志望校が別にあり、その高校を不合格になったとしても入学することができる高校をあらかじめ確保できる制度です。そのため、都立高校を第一志望としている生徒の多くが利用する入試制度です。また、近年では、他の私立高校の併願も可能としている私立高校が多く存在しております。1つの学校を併願優遇入試で合格をいただいておきながら、都立高校や私立高校の第一志望校を一般入試で受験することができます。

 

そして、一般入試は、いわゆる「オープン入試」です。入試当日の学力試験における得点を競います。基本的に国数英が受験教科ですが、学校によって様々な入試形態があるため注意が必要です。また、上述した単願推薦入試や併願優遇入試と違い、中学校の内申点を基準とすることはありません。入試本番で、どのくらい実力を発揮できるかが合否の分かれ道となります。

 

このように、東京都の中学生たちは、私立高校を受験する際、これら3つの受験方法が自身の志望校にどう活用できるのかを考えながら受験勉強に取り組みます。その上で、今回は近隣の私立高校における近年の動きについて少しお話します。

(次回に続く)

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