都立高校入試には男女別定員制度があるのをご存知でしょうか?
そして、この制度は全国でも東京都のみにある制度だということも?
内容は文字通り、高校入試において男子と女子別々に定員が設定されているのです。これによってどういう弊害が生まれているか想像つきますか?
当塾の生徒たちを見ていても言えることですが、小学生高学年~中学生の年代は女子生徒の方が精神的成長が早いです。言い換えれば、男子生徒は概して幼い。ですから勉強面でも女子の方が頑張り、男子はゲームや部活動に振り回され、なかなか勉強が進みません。当然成績も女子の方が高くなりがち。ということは、入試においても女子生徒の平均点が高くなるわけです。合格最低点も高くなります。朝日新聞によると、今春の都立高入試では、女子の合格最低点が男子よりも5教科で100点以上高くなった学校もあるそうで、男女別定員制度が原因で不合格になった生徒は、女子が691人、男子が95人だったとのこと。大変な格差です。
「この制度はジェンダー平等に反する」という批判もあるようですが、当然ですね。女性の社会進出が必要な現代において、大変時代遅れの制度だと言わざるを得ません。そしてようやく都教委では、段階的にこの制度を廃止すると決定しました。
するとそこでまた問題が生じます。上記の資料の通りだと、男子の合格者が600人減り、女子が600人増えることになります。その不合格になる男子は私立に進むしかありませんが、私立高校の合格ラインもどんどんレベルアップしていますし、単純に都内の女子校約80校に対して男子校は約30校しかありません。どこにも入学できない男子が出て来るのでは、と危惧されていますが、そうすると道は通信制か地方留学という選択肢になってくるでしょう。
過去に10名を地方留学させている当塾としては「地方の高校の魅力」を是非知っていただきたいところですが、全ての生徒に適しているとは思えませんので難しい部分もあります。とにかく男子中学生は少しでも早いうちから(できれば小学生のうちに)勉強に対する意識を高める必要があります。その一つの手段として、中学受験は大いに有りだと思います。特に「ゆる中学受験」は一考の価値あり、です。