大学入学共通テストと速読力(菅田先生)

先日の1月15日と16日に、令和4年度の大学入学共通テストが実施されました。昨年の第1回から数えて2回目となりました。今回、国語と英語のリーディングの問題を、問題文の文字数を中心に傾向を見ていきたいと思います。

【国語】

令和4年度の国語の文字数は約21,010字でした。出題のされ方は例年通り論説文、小説、古文、漢文の4題でした。「メモ」や「ノート」といった、本文とは別の資料を読み、それをもとに解答する問題が出題されるなど、昨年の共通テストと同様の出題傾向でした。資料の量は昨年から若干少なくなった印象です。反面、令和3年度の国語の文字数が約20,520字だったことを考えると、資料が少なくなった分、本文の量が増えたと言えそうです。センター試験時代の2019年に23,780字であったことを考えると、全体の文字数が2,000字以上少なくなったことになりますが、今後も資料の読み込みや本文の全体像を把握する力が必要になりそうです。

その上で、21,010字となると400字詰め原稿用紙を約53枚分読むことになります。日本人の平均的な読書速度である600文字/分で換算すると、全てを読むだけでも35分ほど必要です。80分の試験時間の約半分を、問題文を読む時間に充てることになります。そこから問題を解く時間、更に見直しの時間まで考えると、問題を解答するための時間的な対策が必要のようです。少しでも読む時間を減らし、解く時間を増やしていくことが今後も求められると思います。

◇令和3年度大学入学共通テスト 国語 約20520字

◇令和4年度大学入学共通テスト 国語 約21,010字

※2019年センター試験国語 約23780語

 

 

【英語】

令和4年度の英語のリーディングの問題文は約6,060語でした。前年度のリーディングの問題が約5,500語と比べ500語以上の増加となりました。出題傾向は前年と同様、資料や図表も併せた長文読解問題が続くものでした。文法や発音・アクセントのようなセンター試験を思わせる問題は見受けらません。80分間で10題の長文を読み、各問いに答えていきます。ブラジルのフルーツの特色やイギリスの登山の話、著名な発明家についてのプレゼンなど、出題内容は多岐にわたります。様々なジャンルの問題を短時間で読み、全体像を把握しながら解答していく力が必要のようです。平均的な受験生の英文読書速度が75wpm (words per minute = 1分間に読める単語数) と言われており、その速度で問題文を読むと約81分かかることになります。問題文を全て読むことができません。少なくとも80wpm以上の読書速度でないと、全ての問題文を読んでから問題を解答することができません。そのため、日ごろから長文読解に慣れていることと、それを速く正確に読み解いていく力が必要になります。読解力や語彙力を鍛えることはもちろんのこと、それらとは別のトレーニングとして速読力も必要になっていることを感じます。

◆令和4年度大学入学共通テスト 英語リーディング 約6,060語

◆令和3年度大学入学共通テスト 英語リーディング 約5,500語

※2020年センター試験 英語リーディング 約4,300語

 

☆大学入学共通テストの文字数や英単語数に関する資料は、以下のURLを参照しました。そちらも併せてご覧ください。

○「日本速脳速読協会」HP 『速読情報館』

https://www.sokunousokudoku.net/media/?cat=5

○「東進ハイスクール」HP 『共通テスト2022 解答速報』

https://www.toshin.com/kyotsutest/

 

上記の国語と英語のリーディングだけを見ても、大学受験生にとって長文対策は必須です。普段の問題演習において、時間を測りながら取り組むことで「速く正確に読み解く力」を養ってほしいと思います。その上で、速読に特化したトレーニングも随時取り組めると良いと思います。時間制限のない状態であれば解ける問題でも、制限時間があり、かつ緊張感のある試験本番で力を発揮するには、それ相応の対策が必要です。速読力は、その対策の1つとして活かせると思います。速読力は短期間ではなかなか身に付くものではなく、日々のトレーニングの積み重ねが必要になります。そのためのトレーニングは、現在の小学生や中学生にも必要のように思います。

例えば、令和3年度の東京都の都立高校入試で実施された国語の共通問題の文字数は、約14,700字でした。50分間のテストで400字詰め原稿用紙を約37枚分読むことになります。先の共通テストと同じ80分に換算すると約23,520字分にあたるため、内容によっては共通テストと同等、もしくはそれ以上に感じるかもしれません。これだけの文章量を正確に読み、解答していく力を身に付ける必要があります。さらに、国語の共通問題には10点分の200字作文があります。記述面での勉強も必要になるのです。令和2年度の国語の文字数が約13,500字だったことを考えると、今後も同等以上の文字数になることが予想されます。その文章量と併せて200字分の記述にも取り組むことになります。

 

◇令和3年東京都都立高校入試国語 約14,700字

200字作文 10点/100点満点

◇令和2年東京都都立高校入試国語 約13,500字

200字作文 10点/100点満点

 

○都立高校の共通問題についてはこちらのURLも参考にしてください。

「東京都教育委員会」HP 『都立高等学校入学者選抜 学力検査問題及び正答表等』

https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/admission/high_school/ability_test/

 

このような状況を考えると、現代の子どもたちは、決められた時間の中で多くの情報を収集し、そこから条件に合わせて判断していく力が求められているように感じます。そこに耐えうる能力を少しずつでも養ってもらいたいです。私は、子どもたちにとって「速読力」は重要な力だと思います。当塾でも速読に関する講座を取り扱っているので、お話を聞きたい方はお問い合わせいただけると幸いです。

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