「勉強してもなかなか成績が上がらない」要因と対策(増田先生)

近年、公立の中学生で「成績がなかなか上がらない」「思うように試験の点数が伸びない」と悩む生徒が増えています。

公立中学校の勉強での最終ゴールは高校受験。

そして、公立にせよ私立にせよ志望校合格には、学校の成績が最重要になります。

 

そこで、なかなか思うような成績が取れない要因2つとその対策をお伝えします。

 

 

 

 

【要因①】指導要領の改訂

 

まず外的な要因として、2年前に行われた学習指導要領の改訂があります。

 

これにより、学習内容はより難しく、量はより多くなりました。

 

教科書のページ数はゆとり時代と比べて1.6倍、

「戦後最大の大変更」と言われています。

 

特にインパクトが大きかったのが英語です。

4技能(読む・書く・聞く・話す)がより重要視されていることは言うまでもなく、高校内容だった文法も追加、扱う単語数も激増!!

 

単語数では、

 

 

[改訂前]約1,200語→[改訂後]約1,600~1,800語

 

小学校で約700語扱うようになったので、それを合わせると約2,500単語、2倍以上です。

 

 

 

また、成績の評価方法も変わりました。

テストで点数が良くても、課題の提出、提出したノートの評価、授業への積極性等、欠けている項目があると最高評価の「5」はもらえません。

学力だけでは評価されなくなっているのです。

 

 

これらの流れに適応できている生徒と出来ていない生徒で、大きく二極化しているのが実状です。

お父様お母様が学生だった時の常識は、もはや通用しなくなっています。

 

 

 

 

 

【要因②】学習量が少ない、やり方が非効率

 

中学1,2年生の家庭学習時間の平均は1時間30分と言われています。しかしこれはあくまで平均で、約40%が2時間以上勉強していることがベネッセの調査で分かっています。

部活がある中で2時間勉強するとなると、平日は遊ぶ時間がほぼありませんね。

 

「成績が上がらない!」と嘆く前に、そもそも平均程度の勉強量は確保出来ているのか考えてみて下さい。

当塾でも「成績を上げたいなら、他の人の1.5~2倍勉強しよう。」と伝えています。

 

当然ですが、勉強時間とは頭を使っている時間ですから、ただ机に向かっているだけ、テキストを眺めているだけ、は含みません。

 

 

 

では、一生懸命に時間をかけてやっているのに成績が上がらない原因は何か。

 

一言でいえば「やり方が悪い」のです。

 

基本的には「能力 × 時間 = 成果」で考えることが出来ます。

 

※この場合の「能力」とは効率的な勉強をするための集中力、勉強法、地頭(じあたま)の良さが含まれます。

ですから、読むのが遅かったり覚えるのに時間がかかるのであれば、人より時間をかけなければなりません。

 

 

単語を覚えるのであれば

①読める ②書ける ③意味が分かる ようにするのが目的です。

ですから、ただ書くだけ読むだけで終えてしまっては意味がありません。

最終的には覚えられているか①②③をチェックする必要があります。

また、定期的に忘れてしまっていないか、確認も大切です。

 

よくある間違いが、

「20回ずつ書いた」

「単語カードを作った」

「1時間もやった」

というものです。これは勉強した事実に目が向いていて、目的を見失っています。

極端に言えば何をやったかはどうでもよく、

何が目的で、それを達成できたのか、がポイントなのです。

 

 

そして目的を明確にすれば、同じ勉強をしていてもやり方は変わってきます。

 

例えば同じReadingをする場合でも、

 

短時間で要旨を掴むための速読が目的なら時間制限を設けた上で、細部を意識しすぎないことが大事になります。

 

一方で、文構造を理解するための精読が目的であれば、時間制限は設けず納得するまで、S(主語)V(動詞)の見極めや修飾の関係を細かく見ていく必要があります。

 

成績が良い生徒は勉強をする際の目的意識がはっきりしています。

ですから徐々に無駄な勉強は省かれて、より効率的な勉強が出来るようになります。

 

 

 

余談ですが・・・

 

 

スポーツを一生懸命やっていて結果を出している子は、勉強でも一気に成績を上げられる場合が多いです。

彼らは目的意識を持ったトレーニングをする習慣があり、体力と集中力も備わっています。ですので勉強のやり方さえ分かればぐんぐん成績が上がるのです。

 

スポーツにおいては、生まれ持った骨格やセンス、練習環境や怪我など、努力だけでは結果が出にくい部分が多々あります。それに比べると勉強は、彼らにとって努力がそのまま点数に表れるため簡単に感じるのかもしれません。

 

 

 

【対策①】勉強時間を確保する

 

指導要領の改訂によってやるべきことが増えた以上、勉強量は確保しなければ始まりません。また、「短期集中」や「量より質」という言葉に逃げる子がいますが、「量をこなす中で質が良くなる」のです。

質の向上を求めることは大事なことですが、人それぞれ課題が異なります。

自分の弱点を知ることは意外と難しいものです。

そして、それが分かっていないから現状の成績なのです。

まずは時間をかけて勉強を始めてみて下さい。

提出期限に追われた課題の勉強のようなやり方ではいけません。

 

 

また、子供たちにとって勉強の敵はスマホではないでしょうか。

隙間時間にSNSを開けば次から次へと興味ある動画が流れてきて、どんどん時間は奪われます。

 

ですから、スマホを使えない環境に身を置くことをおススメします。

学校の空き教室や塾の自習室が良いと思います。

 

 

 

 

【対策②】目的を明確にする

 

勉強をする際、目的意識なくひたすら問題を解き進める生徒が多いことに驚きます。

定期テスト対策期間に

「今日はなにするの?」と聞いても

「数学。」とか「課題のワークを終わらせる。」と言うのです。

 

勉強の目的は「理解し、解けるようにする」ことです。

毎回、解説ページの公式を見て、それに数字を当てはめ、答えが出ても、これは実力が身についたとは言えません。

 

本来は、

「方程式の割合の問題をマスターする。」

「不定詞を完璧にする。」

等、具体的であるべきです。

 

そしてそれが達成出来たら、早めに切り上げてしまってもOKです。

 

 

 

 

最後に、

 

世田谷、目黒のような教育熱の高いエリアでは、結果を出すことが大変難しくなっています。そもそも塾に通うのが当たり前、その上でどれだけ努力できるか、質の高い勉強が出来るかがカギになります。

 

 

自分に合った塾、自分に合った勉強を見つけて頑張りましょう!

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