中学数学の定期試験と高校入試問題の違いー後編(菅田先生)

(続き)

【都立高校入試共通問題】

都立高校の数学の問題は、多くの高校が採用する「共通問題」と、上位校における「自校作成問題」、「グループ作成問題」に分かれます。今回は「共通問題」についてお話しします。

都立高校の共通問題は、何年もの間、出題形式に変化がありません。また、配点もほとんど変化がありません。そのため、共通問題用の対策をすることで、安定した得点を取ることが可能です。

 

共通問題は、大問が全5問で作成されております。大問1は計算中心の小問集合です。正負の数から文字式、1次方程式などの基本的な計算問題や確率、資料の活用、円周角の定理などの問題を解きます。全部で9問あり、9問目は毎回、作図の問題が出題されています。問1から問8までが1問5点、問9の作図が6点となっており、大問1の9問を全て正解することで46点分になります。

基本的に大問1は基礎的な問題しか出題されないため、この9問で確実に得点を重ねておくことが重要です。

 

大問2は文字式の説明問題です。毎年、思考力を問われる問題が出題されます。問題文にある条件を理解し、それに合わせて問題を解いていくことになります。全部で2問あり、問1は、大問における基礎となる考え方を求める問題。そして、問2は、問1で考えたことをもとにして解く記述式の説明問題になっております。問1は5点ですが、問2は記述式でもあるため7点です。学校によっては、ここの問2で部分点を認めている場合もあるため、難しかったとしても必ず何かしらの記述をしておくことが重要です。

 

大問3は関数の問題です。毎年、3問ほど1次関数かy=ax²のどちらかの問題が出題されます。場合によっては反比例も出題されますが、出題率は低めです。大問3は問1と問2が基礎的な問題であり、直線の式や変域を求める問題になっております。問3はかなり難易度が高く、それ相応の対策が必要です。全3問とも配点は5点です。

 

大問4は空間図形です。全3問あるうち、問1は、文字を利用して角度を表す問題などの基礎問題、そして、問2は証明問題で、問3はその証明問題で証明したことを利用して解く問題になっております。問3はとても難易度が高い問題となっております。

その上で、問2の証明問題においては、全て記述式の問題になっております。こちらも場合によっては部分点が期待できるため、難しかったとしても必ず何か記述をしてほしいと思います。配点は、問1と問3が5点、問2の証明問題が7点となっております。

 

大問5は、空間図形です。全2問あり、問1は空間図形に関する基礎知識を問う問題、問2は難問です。毎年、この空間図形の問2の問題の正答率が低く、受験生にとって対策が難しい問題の1つとなっております。また、大問の最後にあたるため

試験時間との兼ね合いから、問題回答に取り組む時間を工夫しておかないと最後まで解き進めることが難しいと思います。全2問ともに配点は5点です。

 

 

以上が都立高校の共通問題の特徴です。ここまで書いてきたことを踏まえると、共通問題の対策は、基礎問題をいかに間違えずに正解にすることができるかが重要です。問題数は19問と、定期試験と比べてはるかに少なく感じると思います。また、多くの問題の配点が5点となっていることから、1問のミスが命取りになってしまいます。その上で、入試問題とは言え、決して難問ばかりではありません。中学1年生から3年生までの単元が幅広く出題されますが、これまで勉強してきた数学の基礎となる知識を幅広く理解しておくことができていれば、確実に得点を重ねることができます。

また、自身が受験する受験校との兼ね合いも考えて対策することが可能です。入試はあくまで総合得点で競います。自身の志望校の合格基準を鑑みたときに、1教科につき80点や90点を目指した対策が必要な場合もあれば、70点程度で問題ない場合もあります。また、数学が得意であるか不得意であるか、数学を得点源にする場合かそれ以外の教科を得点源にする場合かなど、様々な要因によって入試当日にどの程度の得点を取ることを目標にしていくかを考慮した対策が可能です。もちろん、全ての問題を時間内に解き、正解することができることが望ましいと思います。しかし、大問3から5にある最後の問題など、難しい問題にあえて時間を使わず、確実に得点に結びつける問題に注力することも、合格するための戦略として考えておくべきかと思います。その上で、難問をしっかりと対策するのか、余裕がある場合に対策するのかを、志望校や他教科との兼ね合いを考えて勉強を進めてほしいと思います。

 

 

以上が、定期試験と都立高校の入試問題における対策方法や必要とされる能力の違いです。定期試験は、問題を解いていく速さと正確が必要ですが、その代わり配点が低めに設定されていることが多いため、多少のミスなら挽回ができます。反面、入試問題は、問題数が少ない代わりに、配点が高いため、1問のミスが命取りです。余談ですが、私立高校によっては、入試問題の1問の配点が8点や9点になる場合があります。それだけ問題数も少なく、かつ難易度も高く設定されている場合も多くあるため、1問ごとにその重みを感じながら解いていくことになると思います。都立高校を受験する以上に正確さが求められるかもしれません。

 

上記のことを踏まえた対策を、時期を見ながら進めてほしいと思います。そのためにも、日頃から「先取り学習」の習慣をつけておくことをお勧めします。中学校生活を充実したものにし、悔いのない高校入試を迎えられるように、日頃の勉強に力を入れて取り組んでいきましょう。

 

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