中学数学の定期試験と高校入試問題の違いー前編(菅田先生)

先日、当塾で、公立中学3年生向けの進学ガイダンスを実施しました。私は普段、中学生に向けて数学と理科の授業を担当しているので、その時にお話しした数学に関することをこちらでも書いておこうと思います。

公立の中学生にとって、高校入試は初めての「受験」である場合が多く、普段の定期試験とは勉強していく過程や取り組み方に少なからず違いがあります。当塾では公立中学生に定期的に塾内模試を受けてもらい、その結果算出された偏差値をもとに志望校判定をすることになっているのですが、定期試験で良い得点を取れる生徒が必ずしも模試で良い得点を取れるとは限りません。それは、定期試験と模試、そして、その後に控える入試問題とでは、必要となる能力が異なるからです。

今回は、近隣中学の定期試験と都立高校の入試問題の特徴、そして、それらの問題を解いていくうえで必要になる能力をお伝えしたいと思います。

 

【定期試験問題】

公立中学校の定期試験問題は、学校によって、また、作成する先生によって特徴が変わります。ただし、どの試験問題も「試験範囲」が決まっています。学期ごとに中間試験、期末試験と問題が作成されるため、その時期を見越して対策をすることが可能です。例えば、中学3年生の1学期であれば、期末試験のころに「平方根」や「2次方程式」の単元に入ってくることが予想されるため、それまでの範囲を計画的に勉強し、理解を定着させていくことが重要となります。

また、試験内容にも特徴があります。公立中学校の定期試験は、基礎計算問題や重要語句の空欄補充、問題の考え方を問う問題など、多岐にわたります。場合によっては正解できる生徒がクラスに1~3人程度の入試問題に匹敵するかのような難問も出題されます。また、問題数も多く、50問を超える学校もあります。試験時間が50分であることを考えると、速さと正確さが求められると思います。その上で、配点は1点から3点の問題が多く、高くても5点や6点と問題の難易度や記述量 (証明問題など) によって配点が異なります。高得点を取るためにはケアレスミスは少なくしておきたいところですが、配点の低い問題であれば1、2問ミスをしてしまっても挽回しやすいように思います。

出題範囲が決められている分、対策すべき問題は基礎から応用と様々な問題に触れておくことが重要です。それをある程度の速さで解き進めていくための対策をしていけると良いと思います。定期試験は、受験で必要となる内申点に直接関係するため、入念な対策をしてほしいと思います。

なお、近年では定期試験を行わず、単元ごとの単元テストで成績を付ける学校もあります。必ずしもお子様のお通いの学校に定期試験があるとは限りません。今後、そのような学校が増えてくる可能性もあるので、早い段階で情報を得て対策できると良いと思います。

(つづく)

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