当塾の塾生が通う公立中学校で、中学1年生約130名対象に国語の教科書数ページを出題範囲とする漢字テストが実施されたそうです。25点満点で合格ラインは19点。そして結果は・・・なんと110名以上が不合格。「こりゃダメだ!」と思われた先生は、合格者も不合格者も全員に追試を課したということ。23点で合格したその塾生は「なんでだよー!」と憤慨しておりました。それは憤慨するのも無理はない。こんな連帯責任は、子どものやる気を削いでしまいます。
しかし、心配なのはそこではなく、110名以上が不合格ということ。近年、本当に、「子どもたちの語彙力、日本語力は大丈夫だろうか?」と感じられることが多いです。
中3の春に入塾してきたA君は非常にまじめで学級委員タイプのしっかりした生徒ですが、英語が大の苦手。夏期講習の徹底的なトレーニングで文法力は格段にレベルアップしましたが、1年からの単語力不足は深刻で、この受験の時期でも、人形(doll)をdallと書いたり、勉強する(study)をstadyと書いたり。また、小6以来、大手塾を渡り歩いて2年半ぶりに戻ってきたBさんも非常に優秀でなんでもタイプ、英検3級も取得しているのに、6か月(six months)をsix moonsと書いていました。彼らのような優秀な生徒がこのありさまでは、一般的な生徒や勉強が苦手な生徒の学力はいったいどうなってしまっているのでしょうか?
来年度(2021年4月)は教科書改訂の予定で、さらに内容が増量、難化することは明らかです。今回の教育改革で、「知識偏重」から「思考力・判断力・表現力」重視になる予定ですが、学校の学習内容は明らかに「熟考」より「スピード」重視になっており、要領の悪い生徒はついて行けません。「新たな時代に即した新たな教育」が必要なのは理解できますが、その一方で、正しいことばを知らない若者、自信を持てない若者がさらに増えそうで心配です。
もちろん当塾ではそうならないように、誠心誠意指導して参ります!
また、当塾では毎年6月と10月に漢字検定を実施しており、多くの塾生やそのご家族が受検され、受検者は毎回増加傾向にあります。この検定を多くの生徒が活用し、ことばの知識を増やして欲しいと思います。