冬期講習の時期にしておきたいこと (菅田先生)

今年ももうじき終わり、新しい年を迎える時期になってきました。この時期になると「冬期講習」の募集が始まり、受験生にとっては、受験前最後の長期休みとしてまとまった勉強ができる期間となります。
当塾でも「冬期講習」を実施します。詳細は別途ご紹介させていただいておりますが、今回は、この冬の時期に取り組んでほしいことを中学受験生、高校受験生向けにお話ししたいと思います。

① 基礎知識のおさらいを!
前述したように冬期講習中は、まとまった勉強ができる最後の期間です。受験に必要な教科において穴がないか、基礎の部分で理解が曖昧なものがないかをよく確認しましょう。入試問題において、国語の漢字や国語文法、文学史、算数・数学の計算問題や角度を求める問題、英語の単語や文法問題など、多かれ少なかれ基礎的な問題は出題されます。一部の最上位校こそ基礎的な問題は少ないものですが、それでも1教科につき10~20点、場合によっては40点以上が基礎的な問題で占められている場合もあります。入試の合格はあくまで「総合得点」です。難しい問題が解けたら合格するわけではありません。受験生全員の中で、合格点を超えていることが大切です。そのためにも、基礎的な問題を落とさないように、基礎知識のおさらいをしましょう。そして、基礎に抜けがある場合には早急に対策をし、知識を理解できるように問題演習を進めてほしいと思います。
なお、基礎知識が充実してくると、自ずと応用問題の正答率も上がってくると思います。応用問題の多くが基礎知識の積み重ねで解けるようになっています。問題を解くために使う様々な知識の引き出しを持っていることが重要です。

② 徹底的に過去問演習!
入試に向けた対策として、過去問演習は必須です。第一志望の学校はもちろんのこと、第二志望や第三志望の学校の過去問にも挑戦してほしいと思います。過去問演習の仕方としては、当塾ではどの問題も3回解くように話しております。ただし、連続して3回解くのではなく、過去問1冊を3周するようにして3回解いてもらうようにしています。その理由として、1周目は極力時間通りで (実際にそれ以上の時間をかけても良いと思います) その学校の問題や出題形式がどのようなものか知ってもらい、2周目で本番通りの時間を測りながら解き進め、3周目には総まとめとして解いてもらいます。3周目に関しては、100点かそれに近いくらいの得点になることを目標に取り組んでもらっています。そうすることで、入試に向けた得点力が上がります。過去問に取り組み、どの教科も100点に近いくらいの出来まで得点を上げることができれば、その学校の問題においてはある程度対応ができるようになったと言えます。
また、ただ解くだけでなく、解き直しにも力を入れてほしいと思います。間違えてしまった問題やわからなかった問題は、本人にとって何かしらの要因があって間違えてしまったものです。算数・数学であれば計算ミスなのか、記入ミスなのかそもそも解き方がわからないのかで取り組むべき対策が変わります。解き直しをして本人なりに課題を見つけてもらうことも、過去問演習の目的の1つです。そして、間違い直しの際には、解答欄の解説も熟読しましょう。そうすることで、自身の理解を深めることができます。解答の解説を読むことが得点アップにつながります。
上記のことを第二志望や第三志望の学校の過去問でも取り組んでほしいと思います。第二志望、第三志望の学校に確実に受かるためとも言えますが、幅広く様々な問題に触れることで、自身の対応力を上げていくことができます。余裕があれば、受験しなくとも志望校と似た形式の学校の問題や、同レベル以上の学校の問題に挑戦することも有効です。

なお、過去問で出題された問題は、基本的に同じものは出題されません。そのため、毎年同じ問題は出題されないのに過去問を繰り返し解く意味はあるのかと思われるかもしれません。しかし、その学校の出題傾向や問題のレベルに慣れることや、そこを受ける上で足りている部分と足りていない部分を見極めることができるため、過去問に取り組むことで受験に向けた多くの準備を進めることができます。過去問対策は必須です。過去問は、冬期講習中はもちろんのこと、今からでもできることです。計画的に取り組みましょう。

③ 過去問を買っておきましょう。
上記に合わせて、過去問はいくつかの出版社から発行されています。町の本屋さんやインターネットの通販サイト、場合によっては学校に問い合わせて直接購入することも可能です。その際、注意してほしいことがあります。過去問は基本的にその年に売り切る分しか在庫を持ちません。今年であれば2023年度版が売り出されていると思いますが、それを買えるのは基本的に今のこの時期だけだとお考えください。そのため、受験の可能性の高い学校の過去問は出来るだけ揃えてもらえると良いと思います。もし売り切れてしまった場合、その年のものを購入することが困難になります。古書店などでバックナンバーを購入することもできますが、年度によっては出題傾向や問題のレベルに変化がある場合もあるため、できるだけ早めに最新版の過去問を購入しておくことをお勧めします。

④ 健康管理を大切に!
受験本番が1月や2月に集中しており、その前段階として冬期講習に臨んでもらうことになるのですが、この冬の時期は体調管理が今まで以上に重要になると思います。冬場は風邪をひきやすく、季節性のインフルエンザや、現在であれば新型コロナウイルスに引き続き注意をしていきたいところです。風邪を引いてしまうと勉強を進めることが困難になりますし、精神的にも落ち込んでしまうこともあると思います。また、冬期講習は受験生にとって長時間勉強をしていくことになるため、体力的にも大変な思いをして取り組むことになるでしょう。そのためにも、体調管理には気をつけてもらいたいと思います。
勉強することが徐々に増え、場合によっては睡眠時間を削って勉強していることもあるかもしれませんが、睡眠時間はできるだけ確保してあげてほしいと思います。睡眠不足だとかえって日中うまく集中できず、場合によっては授業中居眠りをしてしまうこともあるでしょう。そして、なにより体調管理には十分な睡眠は必須です。勉強時間はただ長ければ良いわけではありません。効率良く集中して取り組めることが大切です。 (※10月3日付けのブログ「勉強は量より質」も併せてご覧ください。)

⑤ おうちの方へ、お子様の体調やメンタルケアをお願いいたします。
ただでさえ緊張感があり、プレッシャーのかかる受験。生徒たち本人の頑張りを見ていると、何とか成功してほしい、合格に導いてあげたいとより一層指導に力が入ります。ただし、私たち塾講師ができるのは、あくまで教室内でのことです。ご家庭に帰ったら、体調や表情に変化がないか見てあげてほしいと思います。教室内では表情に出していなくても、精神的に追い込まれていることもあるかもしれません。私たち講師一同も1人1人目をかけて指導していますが、週に数時間の関係ではどうしても限界があります。私たちでは気が付くことの出来ない部分でのフォローをお願いいたします。
冬期講習は、日数としては決して長くはありませんが、場合によっては1日中塾で過ごすこともあります。その中では、講師から厳しいことを言われることもあるかもしれません。対人関係でストレスを感じてしまうこともあるかもしれません。生徒たちがご家庭で心を休める時間を持ってもらえると、私たちとしても安心して指導にあたることができます。もちろん、教室内でも気持ちよく勉強してもらえるように精一杯の努力をさせていただきますが、生徒たちにとってどのようなことが苦痛で、ストレスになるかは1人1人に違いがあり、全てに対応できるかは未知数です。そのため、教室内でのことで何かお困りのことがあれば、ぜひ、ご相談ください。生徒の皆様の受験合格を目指し、ご家庭と情報共有をしながら指導に当たらせていただけるとありがたいです。

上記が、冬期講習期間中に取り組んでほしいことです。今回は中学受験生や高校受験生に向けたこととして書きましたが、それ以外の学年の方でも参考にしていただけるとありがたいです。生徒たちの冬の頑張りを、私たちとしても精一杯サポートしていきたいと思います。実り多い冬を過ごせることを願っています。

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